主な疾患・治療法・検査

緑内障

当科伝統のお家芸とも言える分野であり、特に東洋人に多く失明リスクの高い原発閉塞隅角緑内障の診療では我が国のリーディングクリニックです。手術はあらゆる術式に対応していますが、開放隅角緑内障の手術では、合併症のリスクが高い濾過手術をなるべく避け、安全性の高い流出路手術に眼圧下降作用を強化した術式を主に採用しています。

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緑内障とは
緑内障とは、その人の健常な眼圧(目の中の圧力)より高い眼圧の影響で視神経が障害され視野の異常をきたす疾患です。視野異常は進行すると回復が困難なため、早期に発見して、必要に応じた治療を開始することが大切です。房水(目の中の水)の出口である隅角の状態から「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」に分けられます。
症状
開放隅角緑内障
発症しても初期の段階ではほとんどの場合自覚症状がありません。進行すると周辺視野の感度が低下しますが、中心視力は維持されます。末期には急激な中心視力の低下、失明に至る可能性があります。
検査
眼圧検査では緑内障に大きな影響をあたえる眼圧異常の有無を確認します。ただし眼圧が正常範囲内でも「正常眼圧緑内障」を認めることがあります。
眼底検査により視神経乳頭や網膜神経線維層の異常をチェックします。緑内障による視神経萎縮が進行すると、視神経乳頭の凹みが大きくなります。(図1)
光干渉断層計(OCT)などの眼底3次元画像解析装置を用いて、網膜神経線維層厚や視神経乳頭の形状を解析することができます。(図2a)
視野検査は緑内障の診断、進行度の判定について最も重要な検査であり、視神経障害との対応をチェックすることが大切です。(図2b)
隅角の検査としては隅角鏡検査が基本になりますが、超音波生体顕微鏡や前眼部光干渉断層計(前眼部OCT)などの前眼部画像検査を利用することにより、より精密な検査が可能になります。(図3)閉塞隅角緑内障の疑いがあれば眼圧負荷試験を行い、治療の必要性をきちんと評価します。
治療
緑内障の治療の基本は、進行を防いで一生の視機能を維持することが目標となります。現時点では唯一確実な治療法は眼圧を下げることです。
隅角が開放しているか閉塞しているかで、眼圧をコントロールするための治療方針は異なります。

黄斑疾患

黄斑部とは網膜の中心部位の名称で、見たいところを細かく見る機能があり、障害があると視力が下がったり、視野の中心がゆがんだり、暗くなったりします。黄斑部が障害される主な病気としては加齢黄斑変性をはじめ、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫、中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑円孔、網膜前膜などがあります。当院の黄斑外来では加齢黄斑変性を中心とした病気の診察及び治療を行っています。

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加齢黄斑変性について
黄斑変性とは黄斑部の網膜が傷んでしまって正常の機能が発揮できない状態です。加齢黄斑変性には萎縮型と滲出型があり、萎縮型には現在有効な治療法がありませんが、滲出型は脈絡膜新生血管が原因で、急速に悪化することがあり、早期の治療が必要です。

検査について
視力、Mチャート(ゆがみの評価)、眼底検査(散瞳薬により瞳孔を開きます)を行うと同時に、眼底の記録に眼底写真、蛍光眼底造影検査、網膜の断層写真(OCT)、OCTアンギオグラフィー(造影剤を使わない網膜血管の描出ができる機器)を施行して、治療方針を決めていきます。

治療
抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)薬
新生血管とその滲出性変化が進行しないようにVEGFという物質を抑制するために抗VEGF薬の硝子体投与を行います。抗VEGF薬にはアイリーア®とルセンティス®があり、まず導入療法として毎月3回注射を行います。薬の効果は1~2ヶ月持続しますが、効果と再発時期は人によって異なります。60~80%で滲出性変化が消失しますが、そのうち3ヶ月以内に40~50%が再発します。3ヶ月以内の早期に再発した人は注射を再開し、事前に計画された投与間隔を来院時の検査結果に応じて調整して、改善した視力が維持できるようにします。4か月以上再発がなかった場合は毎月の検査結果および病態により、必要に応じて投与をします。

網膜循環

網膜静脈の閉塞によって起こる網膜中心静脈閉塞症・網膜静脈分枝閉塞症は主に50歳以上に発症し、視力低下や変視症を伴うことがあります。血管閉塞の程度が強いと、血管新生緑内障や硝子体出血、牽引性網膜剥離を併発することもあります。

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網膜中心静脈閉塞症・網膜静脈分枝閉塞症
網膜静脈の閉塞する部位によって網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症があります。網膜の中心部にあたる黄斑部に水がたまると黄斑浮腫という状態になり、視力低下や変視症(ものがゆがんで見える)の原因となります。黄斑浮腫を治療するためにルセンティス®やアイリーア®といった抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)薬の硝子体注射を行います。黄斑浮腫に対して高い治療効果があることが報告されていますが、効果の弱い症例や再発を繰り返す症例が少なくないことが課題です。

血管閉塞の程度が強い症例に対しては、血管新生緑内障、硝子体出血、牽引性網膜剥離といった併発症を予防するために網膜光凝固術を行う場合もあります。

神経眼科疾患

神経眼科は、眼の所見から神経疾患の診断と治療を行ないます。 代表的な症状として、ものが2重に見える複視があります。片目で見ると一つに見えるのに、両目でみると2重に見える場合、目の位置のバランスや目の動きに問題がある場合があります。原因は様々で、例えば、目を動かす神経が麻痺している場合、目を動かす筋肉に異常がある場合、もともと目を動かす筋肉のバランスが悪い場合、目を動かす脳の働きに原因がある場合などが考えられます。それらのどれが原因であるかを、目の動きの詳細な検査、MRI、血液検査などを用いて診断します。 他に多い疾患としては、視神経の炎症のため急性の経過で視力低下が起きる視神経炎、複視や瞼の下垂が起こる筋無力症、複視や眼球突出が起こる甲状腺眼症、視野が欠ける脳卒中や脳腫瘍などがあります。
全身疾患と関連するものも多く、他の診療科の先生方から紹介を頂く場合も多くあります。特に、神経内科や脳外科と密接に関連する眼科分野であり、主に神戸市立医療センター中央市民病院と連携をとって治療に当たります。

角膜疾患

角膜分野の専門家を非常勤医として招聘し、最先端の治療を提供しています。

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  1. 角膜移植

    当院における角膜移植術は、角膜混濁に対する角膜移植術(全層移植、内皮移植)です。

    角膜混濁とは

    眼球表面の中央部、直径約12㎜の透明な部分(黒目)が角膜と呼ばれる組織です。角膜に混濁を生じると外の光が眼球内の網膜まで到達することができず、視力低下をきたします。角膜の混濁が残存する場合には角膜移植でしか視力を回復することができません。
    日本における角膜移植の適応で、頻度の高い角膜疾患は、円錐角膜、角膜炎後の角膜混濁、角膜変性症、水疱性角膜症、などです。

    円錐角膜、角膜炎後の角膜混濁、角膜変性症の治療

    角膜は眼の表面から内側まで、大きく分けて“上皮”、“実質”、“内皮”の3つの層からなります。この3層全てを移植するのが全層角膜移植術(PKP)です。PKPは古くから行われている標準の術式です。角膜の実質と内皮の両方に異常がある疾患では、この方法で手術を行います。角膜の混濁が表層にのみある場合には、表層角膜移植(LKP)を行います。手術後に拒絶反応がおこる危険性が少なく、安全性が高いですが、角膜の濁りが残ってしまうことがあり、視力改善はPKPよりやや劣るのが欠点です。

    水疱性角膜症の治療

    軽度あるいは中等度では、最新の角膜内皮移植(DSAEK)を行います。提供されたドナー角膜の内皮細胞と実質の一部を移植する方法です。移植するドナー角膜は、眼の中に空気を入れてその浮力で接着させます。移植するドナー角膜を糸で縫わないことがこの術式の大きな特徴であり、移植術後の乱視などが軽減され、視力改善が良好であるというメリットがあります。
    重度の場合は、眼内の操作が困難となりますので標準の全層角膜移植を行います。

    当院での角膜移植術

    当院では、海外ドナー角膜を用いた角膜移植術を行っています。入院は約1週間、全身麻酔が必要な場合は、神戸市立医療センター中央市民病院で入院、手術を行います。
    角膜移植手術についての詳しい説明をご希望の方は、まずは角膜専門外来を受診してください。

    角膜専門外来:木曜日 13:00〜(予約制)

白内障

本邦における眼内レンズ(人工水晶体)移植手術黎明期以来の膨大な手術件数を誇ります。近隣施設から紹介される多数のハイリスク症例も引き受け、常に安定した成績を得ています。また、選定療養(自費)で遠近両用の多焦点眼内レンズの移植も行っています。

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  • 白内障とは加齢のため眼の中のレンズである水晶体が濁り、霧視(かすみ目)、羞明(光が眩しく感じる)が起こったり、視力が低下する疾患です。
  • 若い方であっても、ステロイド薬の長期使用やアトピー性皮膚炎の影響で白内障を発症することもあります。
  • 進行して生活に支障が出る場合は白内障手術をお勧めしています。
  • 局所麻酔(点眼や注射)の手術で所要時間は白内障の程度や患者さんの眼の状態によって異なりますが、おおよそ10〜20分間程度です。
  • 手術では、2-3mmの切り傷から器具を眼内に挿入し、水晶体の入っている袋(水晶体のう)を円形に切り抜き、超音波を使用し固くなった水晶体を細かく砕いて吸引して濁りを取ります。残った袋に折りたたんだ人工レンズを挿入し、レンズを固定します。
  • 当科では多数の手術件数を誇り、スタッフ全員が白内障手術に習熟しております。
  • 一般的なリスクの少ない白内障だけでなく、過熱白内障、チン氏帯脆弱例、落屑症候群、小瞳孔などの難易度の高い白内障手術や、網膜疾患や緑内障、ぶどう膜炎など他の眼疾患合併例にも多数実績があります。また、他科との連携を積極的に行っており、全身疾患のため他院では手術困難な方や、様々な理由のため局所麻酔での対応が難しく、全身麻酔が必要な症例にも対応しております。
    (神戸市立医療センター 中央市民病院で実施)
  • 患者さんのご希望と病状に合わせて日帰り手術はもちろん、入院手術も可能です。

※白内障だと思って受診された際に他の眼疾患が見つかることもありますので、
視力が低下したように感じておられる方は一度眼科の受診をお勧めします。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症(網膜症、腎症、末梢神経障害)の一つで、日本に約800万人いると推測される糖尿病患者のうち、約500万人が発症すると言われています。また、年間約3000人が糖尿病網膜症のために失明し、全失明原因の2位(19%)となっています。

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糖尿病網膜症

図1.糖尿病網膜症の累積発症率

糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症(網膜症、腎症、末梢神経障害)の一つで、日本に約800万人いると推測される糖尿病患者のうち、約500万人が発症すると言われています。また、年間約3000人が糖尿病網膜症のために失明し、全失明原因の2位(19%)となっています。空腹時血糖値が高いほど発症率が高くなりますので、内科で血糖値をコントロールすることが大切です。(図1)

糖尿病になってから、網膜症が発症するまでの期間は、1〜20年以上と幅広く、網膜症が発症しても、はじめのうちは自覚症状がありません。自覚症状が出てきた時には、かなり進行しており、失明の危機が迫っていることも少なくありませんので、眼科を定期的に受診することが大切です。網膜症は、放置すると、単純網膜症→増殖前網膜症→増殖性網膜症 と進行して失明に至る可能性があります。(図2〜5)

図2.正常眼底
図3.単純網膜症
図4.増殖前網膜症
図5. 増殖網膜症

検査について

眼科の診察では、眼底検査を行いますので、自動車を運転して来院しないようにして下さい。眼底写真を撮ったり、網膜の断面を調べる検査を行います。網膜症が進行している場合には、蛍光眼底造影を行います。(図6,7)。これによって、網膜の毛細血管の働きを知ることができます。毛細血管が十分働いていない場所(無灌龍域)が広くなると、新生血管という異常な血管が生え、硝子体出血や網膜剥離の原因となります。

図6.蛍光眼底造影(正常)
図7.蛍光眼底造影(血流が途絶えている)

治療について

1.蛍光眼底造影で毛細血管が十分機能していない部分が広がっている時は、レーザー治療(汎網膜光凝固:図8、9)を行います。痛みを伴い、施行後は暗い所での見え方が悪くなりますが、必要な時期に治療を行わず放置するとかなりの確率で失明に至りますので、大切な治療です。

図8.汎網膜光凝固
図9.汎網膜光凝固後の網膜

2.網膜の表面に増殖膜がはっていたり(増殖性糖尿病網膜症)、硝子体に出血がでている場合は、手術を行います。(硝子体手術:図10)
網膜の中心部(黄斑部)が腫れている(浮腫)場合は(図11)、視力が著しく低下する可能性がありますので、レーザー光凝固、ステロイド剤の注射、抗VEGF薬の注射、硝子体手術などを行い、浮腫をひかせるような治療を行います。日本では、約110万人の患者さんがいると推定されており、現在も様々な治療法が開発されつつあります。

図10.硝子体手術
図11.黄斑浮腫 右上:正常、右下:黄斑浮腫

VEGF(血管内皮細胞増殖因子)

網膜の血流が不足すると産生される化学因子で、血管透過性の上昇(血管から血液成分が漏れやすくなる)から黄斑浮腫を起こしたり、新生血管の生成を引き起こす原因となります。この物質の働きを抑えることで、黄斑浮腫の治療や新生血管の退縮を目指します。
糖尿病網膜症は、糖尿病という内科の疾患が原因となりますから、内科の治療が必要で、血糖値や腎機能など内科の治療データをご自分で把握しておくことも大切です。

網膜色素変性外来

網膜変性疾患の遺伝子診断について

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網膜変性は遺伝子の変化が原因と考えられており、現在まで多数の原因遺伝子が報告されています。遺伝子が原因ですが、子供に必ず遺伝するということではありませんし、網膜色素変性の半分近くの方は親族にまったく同じ病気の方がおられない孤発例です。
網膜変性の子供への伝わり方(遺伝形式)は様々あり、「常染色体優性遺伝」「常染色体劣性遺伝」「X連鎖劣性遺伝」などが考えられています。常染色体優性遺伝では子どもに伝わる可能性が50%であるのに対し、常染色体劣性遺伝では血族結婚でない限り1%以下、X連鎖の遺伝では性別で発症の可能性が変わるなど、遺伝形式によって幅があります。家族歴(親族内の同じ病気の発症パターン)から遺伝形式を推定し、遺伝の確率を考えることは可能ですが、家族歴がない患者さん(孤発例)の場合、遺伝形式は不明で、経験的に5〜10%と言われています。遺伝子診断によって、孤発例でも優性か劣性か判明する場合があります。
この外来の遺伝子診断では、現在までに報告されているどの遺伝子に変化があるのかを調べ、診断に役立てたり、原因遺伝子別の頻度や症状の差、遺伝子診断法の確立、さらには今後の治療の研究に役立てることを目指しています。
具体的には普通の検査と同じ採血(約20㎖)です。詳しくはお問い合わせください。

遺伝カウンセリング外来

網膜色素変性外来受診時に希望される方、遺伝子診断される方は遺伝カウンセリングを同時に受けていただきます。遺伝カウンセリングとは、遺伝や病気についての悩みを相談するところです。専門のスタッフ(認定遺伝カウンセラー)が一緒にお話しさせていただきます。

網膜剥離

眼の中で光を感じるセンサーの役割をしている「網膜」の下に液体が入り込んで網膜が下の層から浮いた状態を網膜剥離といいます。ここでは、網膜に穴(網膜裂孔)が開き、網膜の下に眼の中の大半を占めるゼリー状の硝子体が溶けた液(液化硝子体)が入り込む「裂孔原性網膜剥離」について述べます。

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眼の中で光を感じるセンサーの役割をしている「網膜」の下に液体が入り込んで網膜が下の層から浮いた状態を網膜剥離といいます。ここでは、網膜に穴(網膜裂孔)が開き、網膜の下に眼の中の大半を占めるゼリー状の硝子体が溶けた液(液化硝子体)が入り込む「裂孔原性網膜剥離」について述べます。

網膜裂孔は、人口の約1%の人に起こり、そのうち、網膜剥離に進展するのは、約1%といわれており、人口の1万人に1人程度の頻度で起こる病気です。
近視が強い人、ボクシングなどで頭に強い衝撃を受ける人、アトピー性皮膚炎などで眼の周りをこすったり、叩いたりする人に起きやすいと言われています。年齢的には20歳台と50歳台に発症のピークがあります。
網膜裂孔ができても、網膜剥離になる前なら、外来でレーザー治療が可能ですが、網膜剥離になると、手術が必要になります。自然に治る見込みはほとんどなく、放置すると、徐々に進行して数ヶ月のうちに失明かそれに近い状態になると思われます。

網膜剥離患者の自覚症状

  1. 飛蚊症:黒い虫のようなものが見える
  2. 光視症:視野の端に光が見える
  3. 視野欠損:剥離した網膜に一致して視野が欠ける
  4. 視力低下、変視症:網膜剥離が網膜の中心部(黄斑部)にかかると、視力が低下したり、ものが歪んで見える

これらの症状が急に出てきた場合は、眼科を受診しましょう

手術療法1(バックリング手術)

比較的若い患者さんや、網膜剥離の程度が軽症の場合に選択されます。術後経過が順調な場合は、社会復帰が早く、水晶体を温存できるメリットがありますが、術中・術後の痛みが比較的強いのが弱点です。

  1. 眼球を動かす筋肉(外眼筋)を露出させ、制御糸をかける
  2. 網膜裂孔の位置を確認し、白目(強膜)側から裂孔の周囲を凝固する
  3. 網膜下液が多い場合は、強膜側から排液を行います
  4. 強膜にシリコン性のバックルを縫い付け、眼球を内側に陥凹させ、硝子体の網膜に対する牽引をゆるめる

手術療法2(硝子体手術)

バックリング手術が適さない場合に選択します。最近は多くの場合、硝子体手術を行います。術中・術後の痛みは殆どありませんが、術後の安静期間が長く、入院日数が長くなります。

  1. 水晶体がある場合は、殆どの場合、白内障手術を行います
  2. 眼球に小さな穴を開けて器具を入れ、硝子体を切除し、網膜を元の位置に戻した(復位)後、網膜裂孔の周囲をレーザーで焼付けます(網膜光凝固)
  3. 眼内にガス(あるいはシリコンオイル)を充填します
  4. 術直後よりしばらくの間はうつ向き姿勢をとって頂きます

1回の手術で90%以上の方が治りますが、複数回の手術を要する場合があります。
網膜剥離は予防のできる病気ではありませんが、発症から治療開始までの期間が短いほど治療の予後がよくなります。眼の異常を感じたら、早めに眼科を受診して下さい

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術とは
従来の白内障手術では、他に眼の疾患がなければ、 視力が回復し、見やすくなりますが、老眼は強いまま残ります。 そのため、術後、遠くにピントを合わせれば近くを見る時に、 近くにピントを合わせれば遠くを見る時に眼鏡が必要でした。 多焦点眼内レンズを用いれば、遠近両用眼鏡の様に、ピントが合う距離が複数になり、眼鏡なしでも遠くも近くもみることが可能になります。

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費用について

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の費用は、選定療養費となります。通常の入院料、手術料とは別に自費でレンズ代がかかります。(以前行われていた多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の先進医療は2020年3月をもって終了いたしております。)

なお、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術や、国内未承認の多焦点眼内レンズを用いた白内障手術などは保険適用外となりますので、全額自費となります。また、保険診療と保険外診療は同時に行えないため、手術費用以外の費用(入院基本料、医学管理料、検査料、投薬料、注射料、処置料、麻酔料等)についても全額自費となります。

※詳細につきましては、事務局・職員にご相談ください。

適応について

白内障以外の眼疾患がある場合には、適応とならないことが有ります。また、ピントが複数合うかわりに、単焦点レンズに比べそのピントは少し甘くなります。それ故、精密な近方作業を必要とする仕事や趣味をお持ちの方には向いていません。ライトの周りに光輪がみえたり、ギラツキが見えたりすることもありますが、大抵は慣れて気にならなくなります。ただ、そう言った細かい違いが気になられる方も向いていません。

白内障手術には、手術の選択肢、眼内レンズの選択肢があります。
白内障手術は一生に一度の手術です
最適な白内障治療方針を一緒に考えましょう

ぶどう膜炎

ぶどう膜炎とは、様々な原因で目の中に炎症が起こる難治性の病気です。その治療のためには迅速な診断が必要で、当院では最新の診断検査が可能です。

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ぶどう膜炎とは
ぶどう膜炎とは、目の中の炎症の病気の総称です。解剖学的に炎症が起こる場所で前部ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎、角膜内皮炎など)と後部ぶどう膜炎(網膜炎、硝子体炎、網膜血管炎など)に大別され、両者に同時に起こる場合は、汎ぶどう膜炎に分類されます。多くのぶどう膜炎の原因が依然として不明ですが、感染症の有無により感染性ぶどう膜炎と非感染性ぶどう膜炎に分けられます。その感染性ぶどう膜炎の原因として、ウイルス(ヘルペスなど)、細菌、真菌、寄生虫などの病原微生物があります。また、非感染性ぶどう膜炎の原因として、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病などがあります。

症状

かすみ、充血、飛蚊症などから始まります。その後、進行すれば視力が低下して、その炎症が激しい場合は失明に至ることもある難しい病気です(図1)。

検査
感染性ぶどう膜炎の場合、眼の中の検体採取(前房水、硝子体など)が必要になり、PCR(遺伝子増幅法)を用いたDNA診断法や抗体同定検査を行います。非感染性ぶどう膜炎の場合、全身の状態を把握するために血液検査や内科コンサルトが必要な事が多いです。

当院独自の特色

当院では眼感染症の迅速診断が可能です(図2)。これらの原因として、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの各種病原微生物があり、これらの迅速な同定は適正な治療に不可欠です。さらに眼局所検体は常に微量で、各種病原微生物を調べる網羅的な検査には工夫が必要となります。PCRを応用して開発されたマルチプレックスPCR検査(多項目迅速PCR検査)やブロードレンジPCR(細菌・真菌全般の遺伝子領域を増幅させるPCR検査)が眼感染症に対して有効です。マルチプレックスPCRおよびブロードレンジPCRの最大の特徴は、多種類の外来性抗原DNAを同時に迅速に検出できることで、20項目以上の抗原の陽性か陰性かの判定が同時に可能です。最近では、このマルチプレックスPCRを新規にリニューアルしたPCR検査「ストリップPCR検査」を開発しました。ぶどう膜炎だけではなく眼内炎や角膜炎、移植の検体も検査可能です。また、これらの検査は感染を否定する目的で行う事もあります。もし感染が否定されたらステロイドを中心とした抗炎症療法を開始します。

治療

ぶどう膜炎治療の目的は、速やかな消炎と合併症予防です。眼内炎症が激しい場合は不可逆的な目の組織破壊が進行し、視力に影響を及ぼすのでとにかく消炎を目指します。

主要医療設備

眼底・前眼部光干渉断層計、光線力学的療法レーザー装置、マルチカラーレーザー光凝固装置、白内障手術装置、硝子体手術装置など、県下随一の最先端機器をラインアップ

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主要医療設備一覧

ハイデルベルクOCT(スペクトラリス)、トプコン3次元眼底OCT、OCTアンギオグラフィー(Optovue)、ハイデルベルクレチナアンギオグラフ(HRA2)、トプコンカラー眼底カメラ/FA・IA蛍光眼底カメラ、広角眼底走査型レーザー検眼鏡(Optos)、前眼部OCT(CASIA)、UBM、A/Bモード超音波診断装置、IOLマスター、レンズスター、ウェーブフロントアナライザー、ERG、多局所ERG、黄斑部局所ERG、マイクロペリメトリー(Maia、MP-3)、ゴールドマン視野計、ハンフリー視野計、大型弱視鏡、光線力学的療法レーザー装置、マルチカラーレーザー光凝固装置、YAGレーザー装置、眼科手術用顕微鏡、白内障手術装置、フェムトセカンドレーザー白内障手術装置、硝子体手術装置、硝子体手術用3D映像システムその他。

矯正視力検査

遠視、近視、乱視などの屈折異常をレンズで矯正し、最もピントの合う度数をかけて、どこまで細かいものを見分けられるかの確認をします。

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検査のポイント
矯正視力検査では、眼の度数を測定する器械(オートレフケラトメーター)のデータや、前回来院時のデータを参考にレンズを調整していきます。レンズをかけても視力が出にくい場合、白内障や緑内障をはじめとする眼の病気や、角膜・網膜などの眼球の状態をさらに詳しく確認する必要があります。
正しい検査のために
検査中は眼を細めて見ないようにして下さい。
「なんとなく」でも切れ目の方向が分かれば答えて下さい。
輪の切れ目に斜め方向はありません。上下左右で答えて下さい。
レンズを入れたとき、大きさが違って見えることがあります。大きさは関係なく、くっきりするかどうかで判断して下さい。

オートレフケラトメータ

次の①と②を同時あるいは別々に測定します。
①他覚的屈折値:眼の屈折異常(遠視・近視・乱視)の値
②角膜曲率半径:黒目(角膜)の形状
視力検査時の参考や、白内障手術における眼内レンズ度数の決定などに使用します。

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検査のポイント
他覚的屈折値は瞳孔が小さかったり、眼の中に濁りがあったりすると測定できないことがあります。
顎をのせて行う機器の他、手持ち式や離れた場所から測定できる機器もあります。
正しい検査のために
眼が動くとデータがばらつきます。正確に測定するためにまっすぐ前を見て、なるべく動かさないようにして下さい。また顎とおでこはしっかりとつけて下さい。
中に気球の絵が見えます。途中絵がぼやけますが、気にせず見ていて下さい。
まぶたやまつげが測定部に入らないよう、検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。

眼圧検査

眼球の硬さを測定します。緑内障、ぶどう膜炎、網膜剥離など多くの眼疾患の発見や経過の観察のために行います。

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検査のポイント
基準値は10~21mmHgとされていますが、個人差が大きいため、結果については医師に確認して下さい。
検査機器には眼に空気を当てるもの、丸いチップを当てるものなどがあります。痛みはありません。
正しい検査のために
正面をまっすぐ見ていて下さい。
まばたきが多いと測定できませんので、出来るだけ眼を大きく開けて下さい。検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。

Mチャート

視野検査の一つで、加齢黄斑変性など網膜疾患の症状である歪み(変視症)を定量します。

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検査のポイント
検査距離30cmにピントを合わせた眼鏡をかけて、片眼ずつ検査します。検査は直線の中心にある点(固視点)を見つめて、直線(縦・横)に歪みがないか確認していただきます。直線に歪みがあれば、直線を実線から点線に変えて、歪みがなくなるまで点線の間隔を広げます。
正しい検査のために
検査距離が変わると正確な結果が得られないため、顔を近づけたり遠ざけたりしないようにお願いします。
目を動かしてしまうと、歪みの場所も目線とともに変わってしまうため、目線は中心の点を真っ直ぐ見ていて下さい。

角膜内皮検査(スペキュラーマイクロスコープ)

角膜(眼球の一番表面部)の写真を撮影し内皮細胞の数を測定します。内皮細胞の数が少ないと、コンタクトレンズの装用が出来なくなったり、眼の手術やレーザーなどの治療のリスクが高くなったりすることがあります。

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検査のポイント
基準値は1mm2あたり2500個以上とされています。
正面だけでなく上下左右斜め方向を向いてもらい、撮影することもあります。
正しい検査のために
正面をまっすぐ見ていて下さい。瞬きを出来るだけ控えて、眼を大きく開けて下さい。検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。

ゴニオスコープ

隅角という眼の中の水の通り道にあたる場所を360°撮影します。隅角を通る水の流れが悪くなると眼圧が上がることがあります。

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検査のポイント
器械の先端に透明なジェルをのせて眼に直接触れて検査を行います。麻酔の目薬を点眼して検査を行うので痛みはありません。
正しい検査のために
目が動くときれいに写りません。正確に測定するためにまっすぐ前を見て、なるべく動かさないようにして下さい。また顎とおでこはしっかりとつけて下さい。
まぶたやまつげが入らないよう、検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。

前眼部3次元画像解析(前眼部OCT)

特殊な光(近赤外光)を用いて、角膜・隅角・水晶体など眼球の前方部分の3次元撮影を行います。
撮影の目的はさまざまですが、
①白内障の手術前後:水晶体や手術で挿入した眼内レンズの状態を詳細に確認することができ、手術の適応や手術後の評価に役立ちます。
②角膜混濁や円錐角膜など角膜疾患:角膜の厚みやカーブの状態、濁りや変形を撮影して数値化することで、円錐角膜や角膜移植手術後の評価が可能になります。
③隅角の形状確認:目の中の水(=房水)の排出経路である「隅角」にスムーズな通り道があるかどうかの確認をおこないます。
④緑内障手術後:手術で白目(=強膜)の部分に作った膨らみの部分(=濾過胞)とそこへの水の通り道(=房水の排出経路)を撮影し、手術後の眼圧管理に役立てます。

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検査のポイント
黒目の全体や濾過胞全体を撮影するため、上と下のまぶたを大きく開けます。目の周りの力を抜いて下さい。
正しい検査のために
器械の中に、赤い光か放射状の線が見えます。撮影の際はこの目印の方を見て下さい。
目的の部分がうまく写りきらない場合、別の検査員がまぶたを上下に大きく開けたり、患者さんご本人に引っ張っていただくことがあります。万が一、痛みを感じた場合はすぐにお知らせ下さい。

眼軸長測定検査(IOLマスター・Aモード)

眼軸(目の長さ、奥行)を測定する検査です。白内障の手術の前に必要な検査で、眼軸を測定し目の中に挿入する眼内レンズの度数を決定する大事な検査です。

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検査のポイント
当院では、光学式のIOLマスターと超音波式のAモードの検査機器を使い分けて測定しています。
IOLマスターは光の反射を利用して、「眼軸、角膜の屈折力、角膜の形状」を1つの機械で測定することができます。眼には触れませんが、眼に強い濁りがあったりすると測定できません。
AモードはIOLマスターでは測定できない場合に使用します。器械の先端を当て測定します。麻酔の目薬を点眼して検査を行うので痛みはありません。
正しい検査のために
眼軸は少し目線が動くだけで結果が変化するため、目線は目印の赤い光だけを見ていてください。赤い光が見えない場合は検査員が目線を誘導します。
IOLマスターでは目が乾くと正確な測定ができないため、目を潤す目薬を点眼することがあります。
検査に必要な情報を入力するために過去の目の手術歴を確認したり、測定結果の整合性を確かめるために白内障などの眼疾患を有していない頃の見え方(視力の左右差)などを質問したりすることがあります。

眼位検査

両眼の位置関係やずれを調べる検査です。斜視や斜位があるか、ある場合はその量を確認します。

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検査のポイント
斜視や斜位を調べるには、両眼をペンライトで照らす方法(角膜反射法)や、片眼ずつ隠して眼球の動きを観察する方法(遮閉試験)などがあります。遮閉試験でずれの程度を調べるときには、プリズムというレンズを使って検査を行います。
正しい検査のために
検査中は、ペンライトの光やイラストなどの目印をしっかり見てもらいます。動いたときには目で追いかけて下さい。
検査中は顔をまっすぐ前に向けて、できるだけ頭を動かさないようにして下さい。

立体視検査

両眼を同時に使えているかを調べる検査の一つです。

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検査のポイント
代表的な検査として、専用の眼鏡を使用する検査(チトマスステレオテスト)と、器械を使って調べる検査(大型弱視鏡)があります。
斜視などが原因で両眼がうまく使えていない場合、立体感や遠近感に影響を及ぼすことがあり、確認のために検査を行います。斜視や弱視のあるお子様に対しては、治療効果を確認するため、また治療方針を決めるための1つの基準にもなります。
正しい検査のために
見え方はそれぞれ異なりますので、見えたままをお伝え下さい。

眼球運動検査

眼球の動きを調べる検査です。眼球がなめらかに動くか、横や上下方向など正常可動域まで動くかを確認します。

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検査のポイント
眼球を動かす筋肉を総称して外眼筋と呼び、片眼に6筋ずつ付いて目の動きをコントロールしています。この外眼筋に障害が出た場合は、ある方向に眼球を動かしづらくなったり、目の位置がずれたり寄り目ができなくなったりすることがあります。検査員がペンライトや目印を持って動かしますので、目で追いかけてもらい、その動きを確認します。
正しい検査のために
検査員がペンライトや目印を持って、いろいろな方向に動かします。頭ごと動かないよう、できるだけ目だけで追うようにして下さい。

HESS赤緑試験

目の動きを調べる検査です。眼球を動かす筋肉や神経に障害があることが疑われる場合に行います。

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検査のポイント
検査用の赤緑眼鏡をかけた状態で器械に顔を乗せ、スクリーン上の赤色の格子図形と緑色の矢印を見ていただきます。利き手で器械を操作して矢印を動かし、スクリーン上の赤丸部分に重ね合わせる検査です。
正しい検査のために
片眼で格子図形、もう片眼で矢印が見える状態にしますので、日常とは見え方が異なります。どちらか一方が見えない場合もありますので、その際は検査員にお伝え下さい。
顔を動かすと結果が変化しますので、周辺の赤丸を見る際も顔は動かさず目を動かして見るようにして下さい。

CFF(中心フリッカー)

点滅する光のちらつきに対する感度を調べ、視神経の機能を評価する検査です。
視神経疾患では視力低下をきたしますが、視力低下より先にこの検査値が低下するため疾患の早期発見が可能となります。

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検査のポイント
器械の筒の中を覗くと、奥に点滅する光が見えます。この点滅のスピードを変化させて「点滅が分からなくなるところ」と「点滅が始まるところ」を調べます。
正しい検査のために
点滅のスピードを変化させてちらつきの有無を調べるため、完全に止まったところと少しでも動き始めたところを知らせて下さい。「見たいところが見えない」など、光をまっすぐ見て捉えることが難しい場合、見えるように目線の方向を変えてもらって構いません。

ERG(網膜電図)

光を感じた際に網膜から発生する電位の変化を記録し、網膜に存在する様々な細胞の働きを調べる検査です。

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検査のポイント
検査は、暗い状態で行うものと、明るい状態で行うものがあり、1回の検査で両方を調べます。
まずベッドに仰向けになり20分暗い状態に目を慣らします。その後検査用のコンタクトをつけ、そこから光刺激を発して網膜細胞からの反応を記録します。続いて10分明るい状態に目を慣らし、その後同様に検査を行います。検査にあたっては散瞳の目薬と麻酔の目薬を点眼します。
正しい検査のために
微弱な電位の変化を読み取る検査のため、シールドルームで検査を行います。貴金属類は身体から外し、携帯電話の電源はお切り下さい。
また、目の周りの筋肉や体全体に力が入ると波形が乱れるため、目は正面を見たまま動かさず、全身の力を抜いてリラックスするよう心掛けて下さい。
「暗いところ」「狭いところ」「密閉されたところ」が苦手な方は、担当医にご相談下さい。

トノグラフィ

房水という眼球内にある水が眼球の外へ排出される速さを測定します。
いくつかある緑内障のタイプ判断や緑内障の進み具合を予測するとき等に行います。

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検査のポイント
座ったときと仰向けになったときの眼圧をそれぞれ測定した後、仰向けになった状態で眼圧測定チップにおもりをのせて、そのまま4分間眼圧を測定し続けます。目に直接測定チップが触れますので、麻酔の目薬を点眼します。また途中で瞬きが入らないよう、「開瞼器(かいけんき)」という器械でまぶたを固定します。この際、目の表面を乾燥から守るため角膜保護の目薬を点眼します。
正しい検査のために
顔や目線が動くと正確に測定できないばかりでなく、目の表面が傷ついてしまう可能性があります。検査中は天井にある目印をしっかり見つめて、目や全身を動かさないように気を付けて下さい。

波面収差解析(ウェーブフロントアナライザー)

乱視に代表される「眼球の収差(ボケやブレの原因となるもの)」を細かく解析し、見え方を他覚的に評価します。

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検査のポイント
ボケやブレなどの見えにくさの原因には、遠視・近視・乱視などのレンズで矯正できるもの(低次収差)と、それ以外のレンズで矯正できない不正乱視(高次収差)があり、この器械では全て測定することができます。おもに角膜疾患や白内障手術の前後で測定し、見えにくさの原因を数値化して、その人の見え方を把握します。
正しい検査のために
器械内の赤い家の目印をまっすぐ見て下さい。
まぶたやまつげが測定部に入らないよう、検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。

コントラスト感度

どれだけ薄い(ぼやけた)ものが認識できるのかを調べる検査です。視力検査ではわからない見えにくさを調べる検査の一つです。
なお視力検査では白黒はっきりした条件でどれだけ小さなものが見えるのかを調べています。

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検査のポイント
コントラスト検査には、縞(シマ)で判定するもの、文字や図形で判定するものなどがありますが、当院でよく行うのは縞で判定する検査です。上下に並んだ2つの丸のうち片方は縞模様、もう片方は無地になっています。上下どちらが縞模様になっているかを答えて下さい。 縞の太さは4段階、縞の濃さは8段階に分かれています。
正しい検査のために
縞模様が少しでも分かれば答えていただき、分からないときは「分からない」と答えて下さい。濃淡ではなく縞模様が見えるかどうかを基準に判断して下さい。
また、検査距離が決まっているので前のめりにならないようにしましょう。

調節力検査

ものをはっきり見るためにピントを合わせる機能を調節といい、この調節の力の程度を調べる検査です。調節力は年齢とともに衰えていくものですが、事故や外傷などの障害によっても弱くなることがあります。調節力が異常に強すぎたり弱すぎたりすると、ピント合わせがしにくくなったり、眼精疲労の原因にもなるため、詳しい検査をおこないます。

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検査のポイント
器械の中に視力検査と同じ輪っかの目印があり、この目印が近づいてきます。
最初は目印がはっきり見える状態にセットしますので、そのまま近づいてくる目印をしっかり見るように意識して、ぼやけたところでボタンを押して下さい。
正しい検査のために
目印を見ている間、ピントを合わせる努力をして下さい。その努力にもかかわらずある程度近づきすぎるとぼやける位置がありますので、これを調べます。
またこのとき、「切れ目が分からなくなったら」ではなく、「ピントが合わなくなったら」ボタンを押すようにしましょう。

ハンフリー視野検査(静的量的視野検査)

視神経疾患・頭蓋内疾患・網膜疾患などの診断と進行具合を調べるために行います。緑内障の早期発見や進行判定のためにも重要な検査です。

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検査のポイント
予め測定方法がプログラムされた器械で行う視野検査です。
目的によって片眼で行うもの、両眼で行うもの、調べる視野の広さの大小など、検査の内容が異なります。
光は様々な場所で光ったり消えたりしますが、動くことはありません。
検査は①中心感度の測定、②目の位置の設定、③周辺視野の測定の順で進みます。その都度見る場所などを説明します。
検査中に出てくる光の大きさは同じですが、明るさが違います。ぎりぎり見えるか見えないかの光も出てきますが、見えたと思ったらボタンを押して下さい。もし押し間違えても何度か確認がありますので問題ありません。検査時間は片眼につき5~10分程度です。
正しい検査のために
顎とおでこはしっかりとつけて下さい。姿勢がつらい場合は検査員にお伝え下さい。検査中は中心のオレンジの光を見ていて下さい。光を目で追ったり探したり顔を動かしたりすると正しい検査結果が得られません。瞬きは普段どおりして下さい。
検査中でも休憩を挟むことができます。疲れた、くしゃみが出そう、など検査を一度止めて欲しい場合は検査員にお声掛け下さい。

GP/ゴールドマン視野検査(動的量的視野検査)

視神経疾患・頭蓋内疾患・網膜疾患などの診断と進行具合を調べるために行います。
視野全体を検査できるため、ハンフリー視野検査では調べられない、周辺の視野まで測定することができます。

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検査のポイント
検査員がドーム状の器械を挟んで対面に座り、検査の光を動かして行う検査です。
検査中は光の大きさや明るさが変わります。その都度、検査員からお声掛けします。
光が見えたらボタンを押して下さい。
光は様々な場所から動いて出てくることがほとんどですが、時々その場で光を点滅させて見えるか確認することもあります。
検査時間は視野の状態によって異なりますが、片眼につき20分程度です。
正しい検査のために
顎とおでこはしっかりとつけて下さい。姿勢がつらい場合は検査員にお伝え下さい。
検査中は中心の黒い点を見ていて下さい。光を目で追ったり探したり顔を動かしたりすると正しい検査結果が得られません。
瞬きは普段どおりして下さい。
お顔を離したいとき、疲れた、くしゃみが出そう、など検査を一度止めて欲しい場合は検査員にお声掛け下さい。

眼底三次元画像解析/光干渉断層計(OCT)

特殊な光(近赤外光)を用いて網膜と脈絡膜の断層像を撮影し、網膜の腫れや構造上の変化の様子、網膜の神経線維の厚み、脈絡膜の血管層の厚みなどを調べます。

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検査のポイント
撮影する部位によって正面以外の場所に目印の光を動かして撮影します。検査員の指示に従って目印の光を見て下さい。
プログラムによって撮影枚数が異なります。
正しい検査のために
器械の中の青い光を見て下さい。目印の光は撮影する器械によって形が異なります。撮影時に顔や目線が動くと撮影に時間がかかってしまいます。検査中はじっと目印の光を見続けて下さい。瞬きをしてもらって構いませんが、少し我慢していただく場合もあります。

OCTアンギオグラフィ(光干渉断層血管撮影)

光干渉断層計(OCT)を用いて、網膜や脈絡膜に流れている血管や新生血管等の構造を可視化し、観察します。
網膜や脈絡膜の血管の中を流れる赤血球の動きから血管の構造を画像化することができ、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、網膜血管閉塞などの診断や評価に有用です。
蛍光眼底造影検査のような造影剤を用いる必要がなく、患者さんの負担が少ない検査です。

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検査のポイント
1回につき2枚の画像を撮影します。
正面と視神経乳頭を撮ることが多いですが、他の場所も撮ることがあります。
正しい検査のために
器械の中の青い光をまっすぐに見て下さい。
ピント合わせの際に少し大きな動作音がしますが、そのまま光を見ていて下さい。
撮影中は、横や縦の線が目の前を走っていくのが見えますが、目印の青い光だけをじっと見るようにして下さい。

オプトス(超広角走査型レーザー検眼鏡)

目の奥底(=眼底)の状態を撮影し、カラーや白黒の写真として記録します。

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検査のポイント
特殊なレーザー光を使って撮影するため、眼底カメラで撮影するよりも広い範囲を撮影でき、また、ほとんどの場合瞳孔を広げる薬を点眼していなくても撮影することが出来ます。
カラー写真の色は、器械によって構成された疑似カラーのため、必要に応じて通常の眼底写真を別に撮影することもあります。
広い範囲の撮影をするため、顔を器械の前面に接触させるまで近づけます。正面を向いたまま顔を顎台に乗せると鼻を強く圧迫する場合がありますので、少し顔を斜めにひねった状態で撮影します。撮影時にはフラッシュ光が当たります。
正しい検査のために
検査員がまぶたを手で大きく開けたり、場合によっては後ろから頭を押さえたりすることがあります。
もし痛みを感じる場合には、遠慮なく検査員にお伝え下さい。
シャッタースピードが遅いため、光が当たる一瞬は瞬きを我慢して下さい。

眼底写真撮影

目の奥底(=眼底)を撮影し、カラー写真として記録します。

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検査のポイント
正面と視神経乳頭を撮ることが多いですが、他の場所も撮ることがあります。
撮影のため明るい光の方を見ていただき、シャッターを切った際にはさらにフラッシュが光ります。
撮影できる範囲は、オプトス※(超広角走査型レーザー検眼鏡)よりも狭いですが、通常の写真と同じように眼底を見たままに近い色合いで記録することが出来ます。※オプトス(超広角走査型レーザー検眼鏡)の詳細は同項目をご参照下さい。
正しい検査のために
正面を撮るときは、カメラの中にあるアイスの棒のようなものの先端を見ていて下さい。視神経乳頭を撮るときは、カメラの外にある赤色の光を見てもらいます。
目印が見えない場合は、お声掛けで目線を誘導します。ほんのわずかな目線の動きで十分なことがほとんどです。

蛍光眼底造影検査

網膜や脈絡膜といった眼内の血流の状態や、血管の構造などを調べます。糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、網膜血管閉塞などの眼底疾患の病態を詳しく知ることができます。

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検査のポイント
腕の静脈から色素(フルオレセインまたはインドシアニングリーン)を注入して、眼底の連続写真をとります。注入した色素が蛍光を発しているため、特殊なフィルターを通して血液のめぐる様子を観察・撮影することができます。
人によっては造影剤に対するアレルギー反応が出る場合があります。症状として、吐き気、かゆみを伴う発疹や咳などがありますが、まれにショック症状を起こすこともあり、医師の立会いのもと、万一に備えて万全を期した体制で検査を実施しています。
正しい検査のために
疾患の状態や造影剤の種類によって使用する器械が異なります。2種類の器械で撮影を行う場合には、検査途中で移動していただきますので、ゆっくり慌てずに検査員の指示に従って下さい。
検査中はかなりまぶしい光を使う器械もありますが、出来るだけ目を大きく開けて下さい。瞬きが多いときれいな画像が撮影できませんので、検査員が手で触れてまぶたを挙げることがあります。
造影剤の注入後、吐き気、咳、かゆみなど、体調に異変を感じた場合はすぐにお知らせ下さい。